2009-01-01から1年間の記事一覧

本は大事と思いたい

最近はやりの、必要なものしか買わないとか借りればいいとか、無駄なものを排除する思想が困るのは、後に残る文化を考えていないところだ。 私の住む岐阜市は昨年、中心地の路面店の本屋が二軒なくなった。出身地の郡上市などは、昔ながらの本屋は品揃えが薄…

不滅の光

ようよう成長して ささやかな敷居をまたげは世の人々が 間諜であり黒幕であり ああ 生き難しもののふの道思いが及ぶと 黙ってはおられない さかしらな異形のわたくし 御前会議に勝ちをとっても 鉄扇に倒れ とんだ流離譚の待つ 朝は辛い体質だったが 忍びの日…

伊藤茂次詩集 ないしょ

『伊藤茂次詩集 ないしょ』より 休日目が覚めたら すべてを忘れていた 毎日のくだらぬ 私のつぶやき 私がわたしに はずかしいおこないの連続を 鈍感な冬の日曜日 ストーブの火が ゆるやかに 燃えている 女房も 今日は苦情の言葉を 忘れている 仕方のない生活…

美濃市さんぽ

昨日、書店で『ネット古本屋になろう!』(河野真 青弓社)という本を見つけ、たまたま開いたページを見ると、なんだか馴染みのある文章。遡ってページを繰ると同じ市におられる徒然舎さんの開店体験記だった。 一読して分かる文を書くということは、なかな…

梁塵秘抄

歳月は ここまで きてしまった たまに行き交う 淡い便りも 役に立たぬまま他人に指摘されるほど 肩のさがり ひっこんだ歯の位置も相似形 不惑をむかえれば 分け目もその日から白くなるし 身近なものを愛さない 母をもったがあなたの不幸か 家計の拙い家系の…

十月三十一日記

金曜日は仕事を無理矢理切り上げ、詩集づくりに取りかかった。途中、念のいったことに詩集ができあがった夢を見ながら寝てしまい、三時に起きて20冊作りあげる。毎日こうして作ればよかったと小学生並の後悔をしながら、七時にレンタカーを借りて友人を乗…

忘れないように

今朝は出勤。昨日のことを考えていたら、いつもの仏壇屋の前、信号待ちで目と鼻から泪が。たとえ、それが文学ではないとしても、おまえはどうしても書きたいことがあるんだとルームミラーの自分を見て思った。それを掘り起こしていただいた方々に感謝を捧げ…

ああ驚いた

進々堂のテラスには善行さん、Mさん、Decoさん、高橋さんがおられ、びっくり!今からお店に行かれるとか。私も一回りしてからお伺いする予定です。

到着

着きました。今日は意外に暑いですね。おのぼりさんらしく、進々堂でカレーの昼ご飯です。友達はカレーパンセットにしています。

できました!

はー詩集できました。二十数冊という半端な数ですが、二時以降善行堂さんにお持ちします。さーて次は運転だー! 間に合わない 間に合わないと 詩集作っています。たくさんできたらよかったのに、作る時間が取れなくて、ああ・・もうこの日を迎えたか!あと数…

今も彼は描き続ける

小さな福祉作業所にいた時に、関係団体のコンクールに、年三回くらい利用者の皆さんの絵を出品していた。年輩の方などは、絵など何十年も描いたことがないという方がざらだったが、ここで、描いたことがないから描けないということは、ほんとうのところはは…

1256599412*朝の路上 暗い水脈を分け合って 飲んでいたが 咳が続いて忘れてしまった 自販機前で 手をついていると 奥さんらが小旗を持って路上の露を踏んでいく 葛根湯くさい 鞄を抱きかかえる そば 落葉まみれのバスが しゃっくりのように止まり直す 今日の…

『枝元なほみの料理がピッとうまくなる』枝元なほみ・ちくま文庫かつて、谷川俊太郎も愛読したという『なに食べた』(伊藤比呂美との共著)という往復書簡の著作者でもある枝元なほみさんは、実際的な社会活動家でもある。いつの岐阜県農業フェスティバルだ…

相曽晴日「水彩画」

昨日、職場旅行の引率で、上石津にある昭和音楽村に出かけ、私達の他は誰もいない人造湖の畔を歩いていたら、急にある歌詞が浮かんできました。 霧はれた 風木立 くぐり抜け 少し 寒いテーブルから 湖を描きとめた 水彩画 ゆれてる私を感じてね 上の記述は本…

リストランテアルペジオ

マイクロバスは アワダチ草をかすめ 山腹深く 道を探すもよう 倉庫然とした 仕事場から解放され 君たちは こんなに何もない 車窓にはしゃぐ 袋菓子を 手渡したあと 放心に任せて座っていると慰めのような 長い長い隧道が 彼の地へ とつながっている ダム湖の…

望遠レンズ

獅子座流星群の 最後の飛沫を 浴びて 消えてしまった 五人の仲間 誰かがもってきた コーヒーの味は 11年経っても 味蕾から消えない 出勤の交差点 冷えたラジオから 夜半に オリオン座流星群が ピークを迎えると 道路標識の下で 流れてきた話 あと 20分をきっ…

mixiにて

いまどきからではありますが、友人に招待してもらっていたので、不惑記念にmixiの日記にも昨日から詩をアップしました。ご覧いただけたら幸いです。「かねこ しょうこ」あるいは「ねこさん」「岐阜」などで検索していただくと出てくるとおもいます。ここで…

今日が発行日

詩集「二月十四日」は本日が発行日なのでした。本人も40歳、つつがなく生を更新しております。 朝、AMから「今日はなんの日」が流れ、ボクシングの井岡が世界タイトルを取った日などというのを聞きながら起きると、親から電話。姪がインフルエンザになった…

家郷

いくたりもの雨を受け 茎の強い草が そこらあたり 襤褸布の片々を 縛りあげたとみえる 蟻が住み着けば ハクビシンも騒がしい たまに こどもらが 膝小僧を切って 窓の桟は いっそうさびた 広報無線がながれると このうちも あのかども 誰が耳をたてていたはず…

信念

岡崎武志さんにご紹介をいただき、昨日から西荻窪の音羽館さんに詩集を置いていただけることになりました。すでに、岡崎さんの読者の方でしょうか、秋田の方からお問い合わせがあったとのことで、音羽館さんに早速発送していただいたと、昨日連絡をいただき…

follow me

くちばしの尖った 一群の消息を聞けば 太陽神の後を追うごとく 透明に重なる 南洋のかなたを渡っていくという 空の関門は年に一度あくのだろうか かの国に かんなづきなどないのだけれど たくましい羽音は 骨まではりつめて 彩雲をめざす 波間のホイッスルを…

知恩寺

先週、知恩寺行きのために楽天で宿を取ろうとしたら、めぼしい宿は軒並み満室。さすが秋の京都!別のネットサービスをあたって何とか宿をとったとのだった。ところが、一昨日会議に出てびっくり!11月1日は休日だが、ドリームスポーツ大会という、障がい…

養老と昭和音楽村

来週、勤務先の利用者さんと旅行に出かけるため下見に出かけた。珍しく両親がこちらに出てきたのを幸いに、親の車を借りて、まずは親のリクエストの養老に出かける。まだ夏の名残りがある山道をあちらこちらと歩くが、養老は現代も親孝行の里らしい。気恥ず…

color

みずたまりに 手をついて つむじをうつす おさなごよ ひつじぐものそとで 母は手をのばす にびいろしかない 三角地だけれど 今や まばゆい 光がさしている

詩集を手渡す

昨晩は音羽館さんに詩集を置いていただくにあたってのご挨拶の手紙をお送りして、投稿している婦人公論の選者井坂さんにも、感謝の気持ちをこめて詩集を送らせていただいた。 そして今朝は高校時代からの友人に、一冊詩集を作る。なんだか海苔巻みたいだけど…

ONE DAY

君は懸命に叫ぶ なにかに揺さぶられ 止めながらも 役目にためらう つかんで離さない 葛藤につかれて 目を落とし 一円五十銭の手間賃を 結びつづける なぜ人は一万個も バターキャラメルを 買いたいのだ 儲けている誰かさんよ 1400枚のノルマのくせに 牧場の…

軒先をお借りして

『二月十四日』の冊子を製作して、二週目に入ろうとしています。手にとっていただいたみなさま、ありがとうございます。 作った後のことなど何も考えず、ただ詩をまとめて届けようと始めたことなので、読んでいただくのに、不便をかけています。 詩集を無料…

詩集「風来坊」を読む3

岡崎武志さんの詩集は総タイトルが「風来坊」で、(1 )から(8)まである連作詩。「あのころのぼくは若すぎて」と題されたあとがきには、「ひとに読んでもらう、というより、なによりまず自分を救助するために詩を書いていたのだった」と詩作当時の心情が…

詩集『風来坊』を読む 2

岡崎武志さんの詩集『風来坊』は2003年10月1日に発行されている。発行人は山本善行さん。発行にあたっては山本さんが主導権を握られたとか。岡崎さんのあとがきに「林さんに新たに組み直した本文ゲラを送ってもらい」との字が見えるので、端正なページづくり…