2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

旅を終えて

高遠を離れ、伊那に戻ってきました。高遠も伊那も金物屋と昔ながらの洋品店が目につきます。驚いたのは伊那には駅四方に三軒書店の路面店があり、うち2軒は昔ながらの書店。この個人店がなくなるご時世に大健闘です。長野は読書をする人が多いと小学生の頃…

フリーペーパーを見る

はらぺこ広場の奥には公民館がひっそりあり、そこには「日和カフェ」がしつらえてあり、フリーペーパー展が。ちょうど松本クラフトフェアのフリーペーパーを制作しておられるご夫婦がおられたので話を聞いたところ、三ヶ月に一度、育児の合間をぬって出され…

祝祭

道でスズキコージさんの昨日のワークショップでできあがった動物達と行きあいました。御輿ねりのように街を歩き、最後に曼荼羅のようなフラッグはためく図書館前にみな引き揃い、そこは陽光まぶしい祝祭の場所に!インド音楽が鳴り響き、紙吹雪はしろく、暑…

高遠ブックフェスティバル二日目

昨日泊まったのは洋品店の三階からがホテルになっている面白いつくりの家庭的な雰囲気の宿でした。五千円しないのにトイレ、風呂別で広々したつくりでゆっくり休めました。さて、高遠につき北條ストアへ。パラディさんの棚から『鹿鳴集』(会津八一 創元社)…

本の家

本を置いてあるところがちょっと少ないせいもあってか、本の家は大盛況です。ここで『ことばはホウキ星』井坂洋子 主婦の友社と再会。 北條ストアもたくさん箱がならんで、大変混雑してました。多治見市のトムの庭さんも出店されていました。着いたのが遅か…

おお

図書館につくとスズキコージさんがワークショップの作品を作り終えて取材を受けておられました。そしてここでパンフレットを手にいれました。図書館はかわいらしい高校生がたむろしており懐かしい気持ちに。しかし所在なくしてても何だから本の家に向かうこ…

もてなしの心

バスターミナルでは永島敏行似のお兄さんがシャトルバスの券をにこやかに配ってくれていました。シャトルバスは豪華車両で、タダなのにこれまた精悍な案内の人つきで、車内が空き空きなのが気の毒なくらいです。案内人さんによると、何も考えずに乗った無料…

伊那市

窓辺から見える林檎に唾を飲み込みながらの道中、やっと伊那市に着きました。三時にシャトルバスが出るそうなので、初めての町を歩きます。失礼ながら伊那がこんな街中だとはちっとも知らなかった。岐阜は炎天でしたがこちらは風がやさしい。ブックス&カフ…

たどりつくか高遠

行こうかどうしようか迷っていた高遠行き。そして今は伊那市行きのバスの中です。チケットを発券してもらったのが11時30発の発車三分前。唯一の旅の指針であるチラシを人にやってしまったために、何も持たずで、果たしてこのバスがいいかどうかは分からない…

鈴木しづ子

職場には、たまに泊まり勤務があり、今日は寝が足りない。障がいを持つ利用者と日中は様々な仕事に取り組む。私の日常背景には結束機の轟音と台車の響きが欠かせない。今日は中国から来た書道バッグ30個入りの箱を検品するため作業場と倉庫を往復したが、30…

焼き鳥若竹

黒龍を楓のカウンターにのせて 火曜日の客は言葉すくなだったミイがあいさつにでる 医者の家を自ら出て 肴三昧を選んだ あっぱれなやつ おばさんの漬けた 特大の梅が口に転がる その甘苦さ 日々の傷を 止まり木でなめて 治したこともある 泥酔して川からあげ…

夏に会った文人(二)

くちなしや おうなのおよび ほのじろき 大学三年になって、近代文学のゼミに入ると同時に「天狼」に自動的に加入することになりました。句作には消極的だった私。覚えてるものは「夏草を蹴り飛ばしつつ野を行けり」というヤケクソ詠と上記の二首のみです。 …

夏に逢った文人(一)

あれは平成三年の夏頃だったろうか、名古屋の芸創センターで何か近代文学の集まりがあった。 指導教官にお茶出しにかりだされて、それまで客にお茶なんか煎れたこともない学生が四苦八苦して茶を出した相手は、温顔で、上着が窮屈そうな紳士だった。 教官が…

Thunder road

キールンで もうついていかないと 決めたのに 私のフレームは 白いフレームと かさなりあって倒れているつながれたチェーンは何の印なのだろう 花蓮から台北へ 加油!加油! 突撃する車をかわし ペダルは何万回漕がれたろうか 火炎樹の彼方の 天空は白い 清…

悪態

この 背中を見ながら 死を 考えている人もいる たとえば おいつめる何かがあって そのことで 頭がいっぱいでも あんたが いなくなったって 仕方がないのだ たとえば 執着したい何かを 手放すために この世から消えても 期待したようには 思い出されなんか し…

喫茶つくし

廃線の駅前 オシロイバナの種を踏む 身内に悩む女と くらしに悩む女が ならんでヤキソバををつついている 姉妹だからやさしくもなれず サイダーのように つぶやき、つぶやき すえた飯のような 午後がめぐる 金時5つ 客が現れ みるまに氷はつもる それをしお…

ぼんおくり

風がかわったくろみつの かきごおりをすくうとあわただしい ニュースも蝉しぐれの中かわもの涼しさは くびすじに しのびより ふくらはぎが ぶらぶらするのを なだめては歩く 用ありげな人々は 陽炎の中 月とともにあぶられている ふりむきざま 失うのなら こ…

本に埋もれて死す

ラジオから「緊急地震速報です」と声が聞こえ、揺れが来た時は・・こりゃ終わりかなと妙に観念した気持ちでした。静岡では一人暮らしの女性が蔵書で圧死とか。うーむひとごとじゃないなぁ・・皆様はいかがでしたか?

輪廻を

生きていくことに 青筋を立てた娘たちに 流れにまかせろなどといい だらしない男が ベッドを共にしたりする 誘蛾灯の音を聞きながら さえない私たちは 働きつづける 小銭しかもってないけど 親も 恋人も 自分の中にしかいない 仏陀よ もう輪廻は信じていない…

遍路

ここに立って 何を仰いで目指したのか 石段を踏んで 年月を積んだとて この道は 木もなく 声もなく 腰を下ろせば いしころと おなじくたたずむ 空は 脂気のない地面なのか 息することも やがて 意識にないほど かたちもなく 霧にまみれる