2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

かげろう きみがみすてたせかいに なぜ おりたたみいすのように ほうりだして おくのだ えんてんに ほほえむ ひとのすがたを いっしょうやきつけて おくがいい じんせいをともにしたいとねがうべきときに きみは なんてこっけいな みちをえらんでいるのだ い…

四月の雨 紙の花ばかり 求めたがる年頃だろうけれど そんなに 泣いてばかりなのは 根を忘れているからじゃないのか 三歳の頃 小さなフォルクスワーゲンを かっとして畳に叩きつけた三角に割れた窓を 未だに覚えているなんて そのせいで 隔てがあったとは 少…

『海炭市叙景』の文庫化 さらにTwitterで起きた事(3) このツイートから全てが始まったことを、私はここに記しておこう。2010年3月21日12時18分10秒 @hommam:@000214 クレインさんが編んでくださった『佐藤泰志作品集』には収録されているのですが、彼の作品…

撃たれて死ぬ運命を

遠山は手を結び 世界を閉ざしていたはずだが 引き留める木々もなく 逼迫すれば 祖先の頃より 出ていかなくてはならない コーヒーに 気をとられて 何万ものページは閉じられた 撃たれて死ぬ運命を つくりだしたのは自らだろうか 幼き日が その人にもあり 射抜…

なぜに、Twitter!(1) 前回の記事を載せたあとに、ほどほどに…と金沢方面から何か聞こえた気がするが岐阜と石川の間は、白山が邪魔して聞こえません(笑) 龜鳴屋さんの書庫は1980年代の詩集がずらりと並んで、かなりな低温の中だったが、見るもの見るもの懐か…

いきもの 家鴨の池にたたずんで 傷ついた翼の下蛆虫に気づいて追いかけては噛まれ そうしたことを話してやると おかしい仮名遣いで 面白がっていた あなたが書いたものだったろうか たぶん あなたの遺伝子は長く 私も負けずに長い 傘にも入らない意地を張り…

初校の金沢 詩集『二月十四日』の 初校に向かった金沢は吹雪の彼方にあった。北陸本線は暴風のためにあちこちで止まったが、夜半の列車の乗客達は長閑な風情でビールなどをあけ、アナウンスのない時間に苛立つこともない。私も駅で買ったウエッジ文庫の犀星…

ブルーシート 黄土色の上着を着ていたはずだ 黒い車に点々と 花びらがはりつき 遠い遠いことを、 寝ころんで聞く 黄砂が季節を つくりかえているからだろうか 上着は持っていない 車は比喩ではなく黄色に変えた 投げた携帯から数えて もう何台目になったろう…

「原稿を送る」の頃

「2月14日に発売となると、11月中に原稿をいただければ」と勝井氏に聞き、京都から帰ったその日から、手製の詩集と、ブログの束を取りだして自選を始めた。 手製本は原稿をほうぼうにある私の茶室(ネットカフェ笑)でPCを使って書いたが、11月は、ネットカフ…

龜鳴屋・勝井氏との出会い 善行堂フルオープン前日の10月31日は、白い陽射しの照り返しが鋭い、夏の日和めいていた。 銀閣寺口善行堂へは名神の京都東インターからずっと疎水沿いを北に行けば20分くらいで行くことができるのだが、その日は、道をよく調べな…