ブルーシート


黄土色の上着を着ていたはずだ
黒い車に点々と
花びらがはりつき
遠い遠いことを、
寝ころんで聞く


黄砂が季節を
つくりかえているからだろうか


上着は持っていない
車は比喩ではなく黄色に変えた
投げた携帯から数えて
もう何台目になったろう
そして
また巡ってきた


腰を下ろせば地面は冷たい

昨日聞きたかった音色に
朝は新聞を積んで
十字に縛って提げていく
こんなこころにかなうことなど
生涯にはきっとない