2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

そして三月

金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』は龜鳴屋のホームページからご注文を承っております。 http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/ 明日から三月です。詩集の巻頭に載せた「東」を発表したのは高校生の頃でした。(写真は初出)その頃、数学で赤点…

セルフサービス

この世をちいさく折り畳み頭にしまったあなたたちよ 児らをせめて野に放て 箪笥とダンスを踊るために朝があるのだろうか 家族を目にいれず車のキーをひねりまた時計の針を 蜜蝋で固め、 かの時に至る日々を 帳簿に記すことが そんなことが 最大の大事である…

龜鳴屋(カメナクヤ)より金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』が、無事刊行されました。写真は、宅配便の営業所で受け取り、感激しながらすぐ撮った書影、そして、今回の本は検印紙に検印を一枚ずつ押したので、その様子を載せてみました。こうし…

いよいよ、刊行です

詩集『二月十四日』について、先日告知させて戴いたところ、さまざまな皆様から、ご紹介、ご予約を頂いて、本当に感謝しております。 明日、いよいよ刊行となります。(亀鳴屋さんのご紹介は下記にあります) 思えば、2009年の3月12日に山本善行さんの「古本…

際限

ヒアシンスばかり鼻についた 保健室の追試の日 わからないのは 数式ばかりではなかったんだ 頭のなかに 三月になると たまに落ちる穴がある アドレスもなくし 仕事もなくし また10年たったのだ ファイルや脱ぎ捨てた ヒトガタをしょって 倉庫の契約にいく そ…

二月十四日

詩集「二月十四日」は今月20日頃、龜鳴屋(カメナクヤ)より刊行予定です。(予約アドレスは下にご紹介してあります) 15歳で詩を書き始め、雑誌に掲載されるという機会を得たものの、いつしか書くことをやめ、その後20年間は、詩とは無縁の生活をしてきた私、金…

夜の友

人の果実を欲しがらなくとも 隠れて本は読めばいいの だ 心に刃を沿わせて ここにない金のために なぜ幸いじゃないと 思わなくてはいけないの か力のない囁きは 窓に斜めに流れる あなたはだれなのか だれのわたしを 月と雨の156号線にて 決別の方法をさがし…

裸足

勤め人のために 靴下は朝にぶらさがっている コーヒーに身を屈めると ミラーの裡で 隣の車のも隣の車も せわしい身支度裸足では出ていかれない ささやかな苦しさ 押しとどめられる 掌も見えないのだけれど この時刻の空の低さ 櫛をしまって 順番に出て行く時…