2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

水の番

放置する権利/見過ごしの妥当/あたりまえの不自由を与えられて 堤防の穴に手をつっこむ少年の神話を体現しているつもりなのだ おばさんなのに 溺れまいと 昼間の家を 親も子も預け 妻も働きに行くし 自らも車に閉じ込めているあなたたちよ 仕方ない身なが…

睦月・ptit古本市

徒然舎さんで告知中のマウアデリカテッセンで開催中の「睦月・ptit古本市」に行って参りました! 私は車で出掛けたのですが、駅から行かれる方は、伊奈波通りのバス停から進行方向右を見ると「十六銀行」と書かれたビルがあって、それが東で、お店は道沿いの…

茶話

長閑な時代より 小さな糧を分けあってきた今日もまた 菓子を卓に並べるのだ お互いに 割れた爪でかろうじて 世間にぶらさがっているよふっても出てこない 様々な小槌の噂 そのうち係累を嘆き 忘れた引き出しの底を たまに眺め合う 今に滝のある平原へと 車を…

生涯をかけて寄り添うものから なぜに 逃れる手段を 探し あるいは さまざまに現れる 乗り換えのプレートを 忙しく見ているのだ 仕方なく 一生ものとして 身近なものを見つめるならはじめから 手を離さなければ いいものを 子どもは砂場に立ちつくし手をかじ…

Twitter

Twitter始めてみましたが…アカウントは000214です。まだ全く使いこなせておりません。書いては削除していましたが、年始に求めた『ふたつの祝婚歌のあいだに書いた二十四の詩』(思潮社)の詩人の方に返信いただいたのと、胡蝶書坊さんにレクチャーを受け、昨…

ひきつれつつ それでもとばして縫いあわせよう 小型ミシンになりかわり あちらへ こちらへ なにもしたくない馬の舌に塩を擦りつけて 牽いていく水辺 今や施餓鬼は どこにいたって 借景となりかわる ざら紙の中で 息をついでるようでも 更なる事には血は燃え …

代々ノ車伝

義妹から5年前に貰ったマーチが14万キロ走って臨終気味になり、車屋が車検済みの他のマーチを18万9000円で買わないかという。ありがたいけど、まーた耐乏レース開始かー。 最初の勤めが、峠の上にあるという、考えられない立地の養護学校(今は特別支援学校…

読み解き「般若心経」

伊藤比呂美さんの新刊は、かつて「詩の中で、殺しもした」長じては尼僧に関心を持つ「カノコ」と対話するなかで般若心経を思いもつかない、しかし今に生きる人が読んでしっくりする形で説き下ろしている。 最近、水無田気流さんの無頼についての新書や、小池…

はっぴいえんどで卒論かぁ

歴ドルの美甘子という方がラジオに出ていた。 修学旅行で、ジャニーズショップに行きたい同級生から離れて、歴史好きな友達と「プチ脱藩」して龍馬のお墓に行ったとか。こちらと年はかなり離れているのだが、おかげで高校の時の修学旅行を思い出した。今から…

みなもと

四億数千という 地道な時間を お菊さんのように 一枚ずつ数えていても 進化は起きるのか 身ををくねらせて 歩きだした魚の後ろから 私たちも現れた 祖先は ジグサグに歩いて ここへ来た 魚の形の島が欲しくて じっと 待っていたに違いない 満潮で練習したあ…

本年のブックマーク名古屋

ブックマーク名古屋のTwitterが先月より立ち上がっている様子。検索してみたところ、一箱古本市は3月20日(土)は昨年同様円頓寺商店街、そして4月3日は覚王山商店街であるそうだ。 円頓寺はのんびりした昔懐かしいアーケード商店街だった。覚王山は昔…

冬の仕草

針葉樹にてのひらを 重ねて 歯の根も やがて凍る 奥深い庇の敷くかげよ 餅菜を啄む鳩が 遥かなもののように にじむ にじむ 冬がなかったら 詩はうまれなかった

大雪録

子どもの頃は膝まである長靴が欲しかった。隙間に雪が入るのが苦痛で。学生時代は靴を濡らしてのやせ我慢。二十代はスノーシューなるものを履いて雪国を旅したものだ。そして今また、足を濡らしてほっつき歩く。とんだ野良犬気分なり。

供養

あたらしいがらくたの詰め込まれた 金魚鉢めいたその部屋 ろくに使われなかった机は姪に貰われていった かつての ラクガキの気概もない かねこしょうこは ガラス障子の向こうで 父に似た 口を結んでいる パンドラの缶に入った リボンの単語帳には アソートチ…

元旦の災難

山麓の実家は、今や雪にしっかりと抱かれ、日本むかし話の雰囲気だが、実情は、除雪のせいで、正月早々悲惨なコントのような出来事が。 我が父、雪かきは地面が見えるほどやらないと気がすまない性分。街道に出るまでの取りつけ道路を実に几帳面に半日かけて…

新春

青空の下で 70の父は雪を割る 外葉をはぎとれば この年の香気 雪の浮かぶ小川で 着ぶくれの子は声をたてる母の手は塩粒で光り 行ってしまう日々を 爽やかに保存するため 瓶に沈めて ひと息ついている つけたては苦いと いつものせりふを 柚子と挟んで 醤油を…