代々ノ車伝

義妹から5年前に貰ったマーチが14万キロ走って臨終気味になり、車屋が車検済みの他のマーチを18万9000円で買わないかという。ありがたいけど、まーた耐乏レース開始かー。 
 最初の勤めが、峠の上にあるという、考えられない立地の養護学校(今は特別支援学校)で、車がないとどうにもならず、オートマ限定免許を取った。最初のアルトは同僚が10万で世話してくれた。三年乗って、その間には、雪山へスキーにも行った覚えがある。そして友人が結婚の買い換え時にシビックを譲ってくれて、これではほうぼうに行った。どんどん運転して、仙台から酷道を通って鳴子を経由して酒田に着き、日本海にぶつかったところで新潟方面から岐阜に帰ってきた。行く先々に芭蕉の句碑があって、バックパッカーが宿帳で知人の名前を見た時のような「またばせうか」と時空を越えて先達よくやるよ感を味わった。シビックは7年ほど乗って、台風でホイールがとんだりラジエーターがしょちゅう壊れ、5年前に、今のマーチと交代。暫く車にお金を使わなかっただけに、安く車が手に入るというのに何か釈然としない気持ち。生活のなかでは必要だけれども、心の中での優先順位がどうでもいいからだろう。ここまで書いたらラジオから、ジョージマハリスのルート66が聞こえてきた。今はルート66、国指定の景観街道になってるとアナウンサーが語っている。ゲストのドクターコパがかつて36万円でパプリカが買えたとシンクロニシティじゃないが、車語りを始めたから驚いた。

私が人生で初めて乗った車はベルリーナ。次にチェリーそしてサニー…それって何ですかと言われそうだけれど、懐かしい名前たちだ。