ついに車の窓を 手で擦って 目を凝らす 突然の雪に 塞がれた夜道 弟が 娘が生まれた と知らせてきた 父に そっくりな声で 11時11分に生まれたのだと 四十を迎えても 昨日の夜道を まだ歩いていると 信じ いつまでも育ちきらないで 平気でいたけれど 抱き上げ…
その土地は 嫁入りには小銭を撒くと聞いた 青白い 学校の友だちが生まれた 空の狭い町 本陣があった ところに 小学校がある 雪の校庭には 犬の足跡ばかり ここは もののはためく音が いつまでも、いつまでも 聞こえている あるものより ないものの多さを な…
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