2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

今日を迎えられた幸い

私の日常は、一見文学とは遠いところにある。29歳の時に、一生の仕事と思い定めて就職した福祉授産施設で支援員になって11年目になる。 今朝は紙のファイルの組立てとつくだに屋の箱折りの采配に精力を傾け、昼からはクラブの企画で封筒利用の照る照る坊主づ…

昨晩完成しました

手製の詩集「二月十四日」を昨晩、一気呵成に仕上げました。その前日、ページ番号の打ち間違いやら、閉店時間を気にしながらのコピーで使えないものが出たりと、とても綴じるまでにはいたらず、げんなりした挙げ句「18日までにやればいいか」と思っていたの…

檸檬鶏片

食堂には 生まれた家の 戸棚のかおりがあった肝油と 花梨酒と 小麦粉が一袋 しまってある 水模様の磨り硝子の向こう側に手をのばす 湯気のたつレモンチキンはなぜ 昭和四十八年の 芳香を知っているのだろう 姉のスプーンは単調なライン 弟のスプーンは シャ…

*1253625243*うわの空 こうして書く生活が戻るとも思わず、パソコンもプリンターも身近に置かなくなっていたので、この数日はネットカフェとコンビニを行ったり来たり。おりしも『ネトゲ廃人』の広告が新聞に大きく載っており、朝に晩にぼさぼさのなりでネッ…

18ticket

ひとむかし 砂と戯れ飽きたころ きっぷがつれて行った先 岩船駅のホームの花壇 西大山の人家の裏 つららの並んだトイレ Y・Hの二段ベッド モヨロ貝塚 熱川無人泉 陽の落ちた笹川流れ 真夏の民家地帯 秋月の水道栓 終点は 時刻表には 乗ってない。 時をとめ…

いつの間にか

日記を始めて半年、ブログ内に新旧併せて詩が三十編ほどあることが確認できました。 夏に善行堂に伺ったおり、秋の古本まつりまでには詩編を紙にまとめると、善行先生に宣言しておきながら、この生徒(?)連休前まで全然手をつけておりませんでした。ちょう…

ダークフルーツケーキ

夜寒のステンレスボウル に 蛍光灯は似つかわしい 関東州から世を渡り 父はジャワへ母は芦屋へ後の世にはつけもの石となる係累を持ち 父は しらず 嗜眠のくせがついた 泡立ての音も 鼾にまぎれる ねむりの間に間に 炭を焼き 人を教え 農夫を全うする 日用の…

多田千香子さんの新刊

『パリ砂糖菓子の日々 ルコルドンブルーで学んで』(文藝春秋社)の多田千香子さんが『おやつ新報へ、ようこそ。』(エンターブレイン)という新刊を17日に出されることを、多田さんのはてなの日記を通じて知りました。 『パリ砂糖菓子の日々』は題名はかわ…

うろ覚え

モロゾフ愛の詩は二回応募している。確か二回目の応募は昭和62年頃で何等かになったはずだが、大学に入って家から出ていたため、「モロゾフから白いプリンがまた来たけど食べちゃったよ」という親の報告と共に記憶から消去していたが・・・いったいどんな詩…

Monday

愛を信じないひとは やたらに身体を 探しまわる キャラメルの箱を 剥がすしぐさだ そんなに 何も もっていなかったか 陽が昇るのは まだか 瞼は消えて 重さだけ残る更新されていない メーターはまわりつづけ いじけた愚痴が マンホールに流れ込む 今日の水を…

細い将来しか 山峡に描けず 索漠とした 家に生まれ 手にしたものは 本しかなかった 長じては 粘土に彩られたあの街で 地縁もなく 生きていた日々 しゃべれば不興を買う 修羅のせいかつ史 貝のように生きて ざるのそこで 見つけたのは あの言葉だったろうか …