茶話

長閑な時代より
小さな糧を分けあってきた今日もまた
菓子を卓に並べるのだ


お互いに
割れた爪でかろうじて
世間にぶらさがっているよ

ふっても出てこない
様々な小槌の噂
そのうち係累を嘆き
忘れた引き出しの底を
たまに眺め合う


今に滝のある平原へと
車を駆るやもしれない
それまでは山に
挟まれて
雪ごと引き被って
しばし
眠りにつくとしよう