2010-02-11 夜の友 人の果実を欲しがらなくとも 隠れて本は読めばいいの だ 心に刃を沿わせて ここにない金のために なぜ幸いじゃないと 思わなくてはいけないの か力のない囁きは 窓に斜めに流れる あなたはだれなのか だれのわたしを 月と雨の156号線にて 決別の方法をさがしだせてはいない 明日からも 生きるという この雑用に励む ワイパーは切ったまま 暗い廊下を歩いた 記憶に従っている 固い眉間のような いつかの輪郭が透けるまで凝っと待っていたほうがいい あれは朧だが 待っていた形のようだ