かげろう


きみがみすてたせかいに
なぜ
おりたたみいすのように
ほうりだして
おくのだ


えんてんに
ほほえむ
ひとのすがたを
いっしょうやきつけて
おくがいい
じんせいをともにしたいとねがうべきときに
きみは
なんてこっけいな
みちをえらんでいるのだ


いますぐ
そのしろいてをとって
そのかみをすいて
いうべきことばはひとつではないか


くろうはともにすればいいときに
どうとくをおしつけて
あいとまちがえるな


たずねあるく
そのさきにむねおどらせ
さまようだけならば
こどくのかくごがいる
たんじゅんながら
ちゅうこくしておく
あいされるきせつは
まちがいなく
みじかい
それは
きみのおもうよりも


金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』龜鳴屋(かめなくや)刊は以下からご覧いただけます
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/