Thunder road

キールンで
もうついていかないと
決めたのに


私のフレームは
白いフレームと
かさなりあって倒れているつながれたチェーンは

何の印なのだろう



花蓮から台北
加油加油
突撃する車をかわし
ペダルは何万回漕がれたろうか
火炎樹の彼方の
天空は白い


清水の崖
ライトのきかない洞門
透明な海洋は
はるか真下にあるという
どうしたって届かない
このまなざしでは


台風が灰緑の波頭を崩し泪までも
飛ばされて
海辺の便所に
逃げ込んだ白昼


キールンからは
ついていかないと
決めたのに
財布を忘れたあなたを
待ちながら
牛肉麺
啜り込む


小姐が指をさすけど
ごめんね
何も答えられない
ほんとうに
疲れ果てて
もう
戻れない