悪態

この
背中を見ながら
死を
考えている人もいる


たとえば
おいつめる何かがあって
そのことで
頭がいっぱいでも
あんたが
いなくなったって
仕方がないのだ


たとえば
執着したい何かを
手放すために
この世から消えても
期待したようには
思い出されなんか
しない


ああ
届け言葉よ!
この横断歩道から
このホームから
この窓から


もう
隙間に落ちたように
死なないでほしい


悪態と
愚痴を百万遍吐きながら
泣きわめいて
この地獄を
見聞して
それから
その時を待とう


背をみつめるひとよ