2009-10-18 家郷 いくたりもの雨を受け 茎の強い草が そこらあたり 襤褸布の片々を 縛りあげたとみえる 蟻が住み着けば ハクビシンも騒がしい たまに こどもらが 膝小僧を切って 窓の桟は いっそうさびた 広報無線がながれると このうちも あのかども 誰が耳をたてていたはずだが 歳月をかけて いきづく崩れは 来訪者を前に 横を向く 額から抜いた サルトリイバラ もらって 褪色の活動にみとれて いるうちに 響きをたててせりあがってくる霜の月 隣からの呼び声に とんぼがえりの 踵をかえす