リストランテアルペジオ

マイクロバスは
アワダチ草をかすめ
山腹深く
道を探すもよう
倉庫然とした
仕事場から解放され
君たちは
こんなに何もない
車窓にはしゃぐ
袋菓子を
手渡したあと
放心に任せて座っていると慰めのような
長い長い隧道が
彼の地へ
とつながっている


ダム湖のほとりで
15人の昼餐
塩パンと
スープを味わい
次の皿を待つ間
紅葉しない木漏れ日が
半月をうかべた
紺の小波
穏やかな説教のように
私たちを
そっと包んでいる