幼魚のような時を経て
手足がやっと
邪魔にならなくなった
もう
重い頭を
それほど頼みに
しなくとも
いいのに



怒声や
いちめんの涙を
細かい疑問で
包まずに
軒下でやり過ごす
すべはないのだろうか



花が朽ちても
いつまでも
なぜという人はいない



起きた犬は
飼い主と
皿を
眺めている


追わない夢など
溜めて
どうしようというのだ


白い尾は揺れる