2011-01-27 花首 そのかみの 真紅を忘れかね 窶れた唇の母たちは 午後の陽の庭で 篭にころりと集めた実を 蒸して叩き 黄金の油を絞る 子の髪を 梳きながら 落としてきた おごりの春などをおもい エナメルが剥げないまま 年老いて いよいよこれまでかと 削げ落ちる胸に 手を当てて 鏡に立っている