あかり

小さい靴は
生乾きだったから
寝る前に
新聞紙を詰めた
長靴を履きたくない
その一心で


雪を含んだ雲が
地を照らしている
ふるさとを
美しいとは思えない
時を
誰もが一度は
迎えるのだろう


連山にかかる
すばるは
変わり映えしない
時報のようだ
けれど
なんども戴いた空の
氷雪のような耀きは
なんという遠さ


星座を新しく語ろうと
している
さなかに
光はことごとく
目の中で
とけていく


こんなにも
時を費やしてきた
飴をなめるような
気安さで