朝の詩

為政者を海に見送り
その国の広場では
紙屑が拾われている
という
客を迎えられると
青空もひろげられる


別の国では
民衆は警察に囲まれ
また次の国で
学生が声をあげたという
カーラジオより


解説の声はこぞって
その将来を案じるが
老いた国で、くりごとを
聞かされ
街並みはつぶれかかって
いるのだ
死なないための方策も
教えられず
下ろした看板は
放置されたまま
缶は転がっている


2月13日午前8時23分
誰も歩いていない
犬も、猫も


仕方なく、
シートを倒し
白い空を
窓に貼りつけたまま
携帯を叩いてみる
時報を聞く者など
誰がいるのだろうと
からくり時計のことを
書いたりする