2010-09-09 雑念 虹彩ひそむ 潮の変わり目 祖父が生き永らえて 父に渡したものらしいが 警備員の 芯の苛立ちを 水と共に 味わってしまう 古い友だちの 暢気がよりどころなのに 窓は幾重にも 蜘蛛の糸につつまれて 外は 天が割れたような騒ぎだ 何を杖にして 渡って行こうか 膨れた鞄を むだにかき回す 目には 人の顔しか 映らないようだ 今はいったい 何時なのだろうか