生死



足許もおぼつかず人を殺め
心を不意に潰し
それはほんとうに
復讐なのか
欲しかった安寧を
手にしたのではないのか



詩の力など何もないがきょうの日に言っておこう


くたくたなのに
荷を負いつづけ
糧をわけあう仲間もおらず
語れば馘がよぎり
怨みの雨に溺死しかねない
そんな雲が頭上にあれば
憚りなく
日常茶飯に呪いを歌い
しつこく待つことだ
気がつけば七年の後
自分か他人か分からないが何かは変わる



藁屑程度の
ばらばらな荒い気持ちに
殺されたくはない
あなただって
死ななかったように
誰だって
同じなのだ



楽々とは守っていない
この生の切実さを
同じ時代を生きて
分からないのは、なぜだろうか
この身にしても教えられたわけではないのだから
その境界を聞きたいと思う


小さな場所に逃げ込まず
あなたは
それを語れるだろうか
誰でもよかったなど
言ったことにしなくていいのだ
紋切り型など
もう不要である