百歳白書

働かざるもの
食うべからずの国では
床の間の花のように
人も
長持ちしなくては
ならないらしい


深夜のファミレスの店員

二十年前から変わらない
どころか
説明もなく
若返っている


不惑越えの
選手は退かず
良い歳のお母さん達も
自発的に脱ぎだし
扉を開ければ
四半世紀前から
同じ顔の先輩


銀幕も破れ
ブラウン管が
なくなっても
その声は
今日の
茶の間にも響いて
テレビなどを売って
みせている
白髪の家族の
憧れの人は
一体いくつなのだろう