常夜灯

今日も
陽は沈んで
何も見えなくなる


身の丈という
規矩の外へは手を伸ば
さない
そんなのしか
見たことがなかったが
あの木曜日から
人は距離を
言い訳にしなくなった


声は人のために響き
耳はそよいで風を起こし
木の実のような真実は
丹念に集められ
地表を剥いで
埋めなおされた
子ども達が
嘘という史実に
惑わされないように


あなたに渡したい

不器用そのものに
作られた荷と
差し伸べられた
いくつもの手が
白く重なる
夜間窓口