2011-05-06 常夜灯 今日も 陽は沈んで 何も見えなくなる 身の丈という 規矩の外へは手を伸ば さない そんなのしか 見たことがなかったが あの木曜日から 人は距離を 言い訳にしなくなった 声は人のために響き 耳はそよいで風を起こし 木の実のような真実は 丹念に集められ 地表を剥いで 埋めなおされた 子ども達が 嘘という史実に 惑わされないように あなたに渡したい と 不器用そのものに 作られた荷と 差し伸べられた いくつもの手が 白く重なる 夜間窓口