ダイアリー



落ちると思わなければ
恐怖など訪れない
昨日も今日も
永遠なる底の生活
新聞にくしゃくしゃと
くるまれた繭は
時を経ても
卵を持たない



戴いた空に変わりはない
雲は白い穂のように
南西に向かい
夜半には
骨も浮かぶ



床に就き
再び朝を迎え
何のためにかも分からず
されど溜め息さえつかず
今日の糧への他は
寄せる思いはない
総ての輝きは
再生しつくされた



わたしの幸いなる時は
老いた猫のように
そっと寄り添う
僅かばかりのかなしさは
すっかり
朧になったようだ