明日生きていたら

ストーブを出したが
湿気たマッチしかない
躍起になれば
軸がじき折れて
手の中でごみになる
何本も



隣の島が燃えていても
相撲中継は変わらない
駐車場には
野菜が干され
犬の鳴き声も
長閑だった



忙しがっていた今日を
また繰り返すことを
ゆめ疑わず
かじかんだ手のこと
ばかり
目の前に思う



砲弾の行方は
微睡みの中では分からない


明日生きていなかったら
折り畳んで
言わなかったことどもを
きっと悔いるだろう
マッチの軸など
後生大事にしたことを