2010-10-12 不惑 囁きなど押しのけられる 日日にありて 縺れながらも 人の死をもまたぎこし 指も髪もすべて乾いてしまった たなびく烟の中で 裡の音を聞きながら 涯を知る日が来る 君が心に留めた 雲のかおり 花芽をつけた 彼の地の話にも 名残惜しく耳をすます せめて 夜の波がすこしずつ この窪みにひかりを 溜めてくれたらいい 捨てられ、しまわれた いちまい、は どこにいったろうか 行き急いだことを 惜しむのなら 余日をかけて 探さねばなるまい