2010-10-17 泡 小石を抱え 魚影の合間を 落ちてきた しるべなき 道ばかりに行きあたり 砂礫となった 心を均し 仕事の合間に咀嚼し、 無心のうちに笑い、 枕を叩く その少し先の 象は心に無く 仄明るくとも そらごとの命と 群れのなかで尾をそよがせ ようよう生き得たことは 善きことに 数えたくはない 今更に駈けていけば 放った餌の 欠片だろうか 緑は伸びて 空を抱きとめる 途を探すほど もう余地はないのだ 流れは 薦の穂で塞がれていた