小石を抱え
魚影の合間を
落ちてきた
しるべなき
道ばかりに行きあたり


砂礫となった
心を均し
仕事の合間に咀嚼し、
無心のうちに笑い、
枕を叩く
その少し先の
象は心に無く



仄明るくとも
そらごとの命と
群れのなかで尾をそよがせ


ようよう生き得たことは
善きことに
数えたくはない



今更に駈けていけば
放った餌の
欠片だろうか
緑は伸びて
空を抱きとめる



途を探すほど
もう余地はないのだ
流れは
薦の穂で塞がれていた