みしょう



手渡された、広告の包み
ころがった
五つの芽を
爼に胡瓜と並べ
黄色い灯りを点ける



野菜のような
バスの中の人々を眺めて
雨粒のような
無心さを取り戻してきた



喜びも怒りも寄り添って
こない
人に閉ざされた往く道



けれど
かなしい言葉を
ことさら信心しなくとも
本日も
ゆうげにする
空も水も
まだ残っている