■
悲鳴
背中に
本を敷いて寝て
うっかりと過ごし
知ることは
日々のわざという
便利なものがあれば
人は
ものを思わずにいられる
それは
薬のようなものだ
関心が
失せ果てていても
誰も気づきはしない
傍らを過ぎゆく人は
精霊のごとく
夏の朝は知らず
虫の音も聞きとばし
雪の夜は毛布をかぶり
君の毬つきも見ず
励まされたとて
生きていくことは
尽きるまでの
徒競走ではなし
酸欠になって
やっと
気づいたのだ
自分も
人であることに
悲鳴
背中に
本を敷いて寝て
うっかりと過ごし
知ることは
日々のわざという
便利なものがあれば
人は
ものを思わずにいられる
それは
薬のようなものだ
関心が
失せ果てていても
誰も気づきはしない
傍らを過ぎゆく人は
精霊のごとく
夏の朝は知らず
虫の音も聞きとばし
雪の夜は毛布をかぶり
君の毬つきも見ず
励まされたとて
生きていくことは
尽きるまでの
徒競走ではなし
酸欠になって
やっと
気づいたのだ
自分も
人であることに