2010-07-20 白昼 合歓の木のはな いっぽんいっぽん 揺らいで指し示す 日盛りに告げた行方 空が前方にあった頃は みな見渡していたが 幾重にも声を張る 鳥の声に包まれ 滝をくぐり、くぐりして いつか 板塀の町で 後ろの影ごと 見失う 何の意味もないと ほうりだされた姿の 有料道路脇の海 それでも あの傷はやっと 砂のようなものになった 人だから、こそ 思わずにはいられない