2010-06-16 ■ A列車にて 同じ山を目指しながら べつべつのものを 手に持って揺られている まだ話はできないでいたけれど 燕の歌が流れると 眉間の皺は解き放たれる 小さな箱を覗きこみ 用意された 情熱のひとつひとつに 出会うごとに たぎる新緑が増していく 瞼に焼きついた この瞬間は 遠い地にも熱をつたえていくのだろうこの日 しあわせの雨にうたれた わたしたち