撃たれて死ぬ運命を



遠山は手を結び
世界を閉ざしていたはずだが
引き留める木々もなく
逼迫すれば
祖先の頃より
出て行かなくてはならない


コーヒーに
気をとられて
何万ものページは閉じられた



撃たれて死ぬ運命を
つくりだしたのは自らだろうか
幼き日が
その人にもあり
射抜かれて命を落とすことが
未来にあると
気づいていただろうか



伝え聞いたことは
もう
いつのことだか分からない小さい囲みは薄れゆく



そんな夕べに考える
私たちは
みせしめを受けるために
まずしくあるのだろうか



    2010.4.13 再掲


 本日、さっぽろ村ラジオ81.3MHz「デイライト・ストリート」の朗読コーナー「綾なる言の葉」にて、詩「撃たれて死ぬ運命を」を一条綾香(りょうか)さんに13時30分頃からご紹介いただけるとのことです。一条さんは、佐藤泰志海炭市叙景』(今秋、映画化の原作)を朗読で取り上げてもおられ、札幌の市民講座で7月から朗読教室も開かれます。詳しくは札幌市生涯学習センターにお問い合わせ下さい。
TEL 011-671-2200
FAX 011-671-2233

金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』龜鳴屋(かめなくや)刊は白水社『週刊ダイジェスト』のコラムでご紹介いただきました。書影などは龜鳴屋HPをご覧ください。
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/