ジュゲム



こうして
折り重ね折り重ね苦心な
日夜がめぐらうとは
まさかを
一枚ずつ
かみしめ
リットル単位の渇きもおぼえる
泣いてみるのも
カラダにいいからとて
いまや
拍子も 呼吸もむつかしいことだ



離れては
うりの花の糸
いもに伸びた蔓
足にまつわらせて
首筋は斑な茶に染まる



はじめての
いろももようもそらにみる喰う寝るところに棲むところ
欠けに欠けても
生きてはゆけるが

金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』亀鳴屋(かめなくや)刊 白水社「出版ダイジェスト」のコラムでご紹介いただきました。詩集の書影などはこちらから
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/