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ねがい
花に水をやりつづけられないのなら
その人を
選ばずともよかった
間違えたら
生涯
いらいらと通信装置を
修理せずとも
と
無難な訂正ばかりして
と
口ごもる強い気持ちがある
子どもに負わせずともよいではないか
ささくれた岩の根
一面の強い蔦
卑下という
固い殻ほど
かぶるのは容易だ
満足と傷など
今捨てたって
責められるのがあたり前だしかし
もう誰も関心は払わない
老いては捨てて
生きていけないか
その身
保てぬ日々もあるだろうが
もう
歴史書など
誰も読まない時代だ
金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』は、龜鳴屋(かめなくや)HPより書影がご覧になれます。井坂洋子「金子彰子の呟き」・金田理恵装幀
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/