手製版『二月十四日』

誕生日に発行した手製版の『二月十四日』だが、手元に残っているのは、試作品の一冊のみ。表紙には白いコピー用紙でマゼンタで書名が書いてあり、裏表紙はピンクの和紙や少し厚目の紙を使い、ステープラーで止めてチョコレート色の製本テープを貼ってある。(茶色のものが文具屋から無くなり、一人の方だけ青い製本テープだったり、赤いテープも使った。和紙が用紙だったり題名がマゼンタじゃない版もある)
これは、あまりにささやかすぎるため、料金は貰えないと思い無料で配ることにした。累計すると80冊は作ったように思う。その中の10冊は岡崎武志さんのご紹介で音羽館にも置いていただいた。この時、あの簡素な詩集に、ブログをお持ちの皆さんが次々と紹介記事を載せて下さり、本当に感激した。それまでは、詩をブログに書いていてもひとけのない浜辺で漂流瓶を流しているような感覚だったからだ。
 発行日の誕生日に縁のある台北の胡蝶書坊さんや(胡蝶書坊さんのバシー海峡を渡る猛禽の記事から連想して詩を書いたものが龜鳴屋版に入ってます。題はfollow meなんですが(笑)Twitterはまだどちらもやってなかった)ミクシーで知り合った方々など、詩集は様々に手渡され、注文に応えては配っていたら数が思ったより出て、善行堂に出かける前日に作り足している。
 そして10月31日、レンタカーを借りて、京都を目指した。道中、東名の多賀SAで休憩中に善行さんから、このブログに「良い話があります」と書き込みがあった。ああ、これが、詩集刊行に繋がる知らせだとは、あの時の私は分かっていただろうか。
 そしてまた話は続くのであります。


金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』は、龜鳴屋(カメナクヤ)から刊行中。詳細は以下の龜鳴屋HPをご覧ください。
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/