きのこがたり


雷がいいと聞いたおのこは何万本何千本の原木を一本一本叩いて歩いたという
山のともだちは伝説が書いてあるのりしろではなく日々をかたり一本一本コードを届けてくれる
さきの祖が育てたナラのほだ木はひをあびて木のにくしつに今年への語らいのためつかまるよすがをふやしている
たまに裂けてはくにもとのちがう女たちの手に選ばれてはつみとられ
一本一本等級をつけられてはテントからテントをながれあるきむしものにいれられるなどしているのだ

金子彰子(かねこしょうこ)詩集『二月十四日』、おかげさまで128/214まで皆様のもとにお届けできた模様です。詩を読んでいただいて、本当に感謝しております。題名は『二月十四日』ではありますが、39篇、さまざまな成り立ちを持った詩を収めてあります。詳しくは龜鳴屋HPをご覧下さい。
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/