2010-03-13 ■ 種 気づいたのなら 埋めてしまおうか 嘴は烏になり 後ろ足は猫になり この手は栗鼠に変えよう 蚯蚓のように こころゆくまで 地面の味をしがみながら ウォーリードールも 焼き損じのナンも 胸を包んだ掌も 満ちた灰皿を片づけるように からりと 翻って、 老いてまた 忘れていなければ 箪笥の飴のように 出してこればいい 指と指に残る そのざらつき その重み その匂いに すくっては かけ 砂は便利だと あちらを向きながら 感心している