青春


待っている間に
髪は伸びて
切れば冬の香りがした


あの
国道沿い
埃にまみれた
ブレザーの線を
即座にえがく
ロウバイが皺をのばして
天を指さすのを見て
そこに出ていきたかったのか


庇の奥で
誰もいない将来のことを
考えるのは
たやすくない
上京も口にせず
定理を乗り越えようとして紐が解けたようだ


無理矢理な四月を
別状無く迎えるには
少しずつ窒息して
窮屈にならなければいけない
子どものそらごとに
等しいうたなどへ
耳を傾ける人は
もう
いつか絶えてしまった