2010-03-11 ■ 青春 待っている間に 髪は伸びて 切れば冬の香りがした あの 国道沿い 埃にまみれた ブレザーの線を 即座にえがく ロウバイが皺をのばして 天を指さすのを見て そこに出ていきたかったのか 庇の奥で 誰もいない将来のことを 考えるのは たやすくない 上京も口にせず 定理を乗り越えようとして紐が解けたようだ 無理矢理な四月を 別状無く迎えるには 少しずつ窒息して 窮屈にならなければいけない 子どものそらごとに 等しいうたなどへ 耳を傾ける人は もう いつか絶えてしまった