born free

木立の向こうで渦巻く音がする
立ち竦んで
飛び越えない
名札をつけたカーディガンくろぐろといく流れ
落花の下で
田螺は細かい泥の中で
泡をつぶやく


小さな窓にその場所を
表示してみる
まどろんでいた時から
何が世界をひらくのかと
気づいていたかもしれないが
結束機を踏んでいたら
固く自分が縛られていた


田圃のふちから春がくるのだと
あの日
父が告げていた


肉桂玉が届いたから
鼻の奥がツンとする
座布団を探しだして
今日は座っていよう


金子彰子詩集『二月十四日』は、ただいま銀閣寺口善行堂さんにて販売しております。詩集の棚の撮影を忘れましたが、大変な充実ぶりです。ここに記す文字面だけでは、いかついイメージが先にたってしまうかもしれませんが、京都に縁の詩人「左岸」の作家逹は、たおやかな世界、読者の気分にすっと入ってくる言葉を持っておられる。水仁舎は関東の出版社だそうですが、静謐な一巻をくるむのにふさわしい形を一冊、一冊に与えておられます。  この3月、人事異動や配置転換、引っ越し…もろもろで友達や恋人が弱っていたら、この、ホワイトデーくらい、耳を傾けて、『おいしい水』になる詩集を今日の日贈るのはいかがでしょうか。ちなみに肉桂玉は郡上市の名産の飴ですが、シナモン嫌いに贈ると怒られます(笑)
 写真サンポマガジン4号はLマガジン無き後の関西の宝です。とにかく古本とジャズの情報量が、マジでガチに(笑)だいたいこんなくらいという想定を超えている。是非多くの方が手に取られますように。関西はもうあたたかいです。花と古書とジャズを愛でて歩きましょう。西川由季子さんのはてなのHPも是非ご覧下さい。


詩集『二月十四日』(金子彰子の呟き-井坂洋子 装幀 金田理恵)
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