2009-11-28 遠山 気がつかずにいた 甘い草は 用意されたものだということに 外にいて 雹にあたり 喉の渇きを凌いではきたが思うほどに 一人で生きているわけじゃない 三白眼に映る 薄紫の山は 野生をたたえて 座し 二の腕に層雲を隠し持つ 唇の血の味は そこから 流れてきたことを 知らなくてはならない さりげない叱責ばかり 聞いていたから 耳は聞こえなくなっている睫毛を二つ揃えながら 睡いだけではない 夜のことを 考え始めている 雲もいつしか 近々と迫ってきていた