島地勝彦二冊

耐乏期には、せっせと立ち読みをして、給料がでたら一気に買い集める。
開高健に、週刊プレイボーイの人生相談をうんと言わせるため、押し倒して口を塞いで誠意を見せたというエピソードに驚き、島地勝彦さんの新書と別の棚にあった『甘い生活』(講談社)を買い求めた。新書からの想像で、軽妙洒脱な内容と思って『甘い生活』を読むと、今東光、映画「横浜メリー」、石川遼と確かにカラフル。福原義春林哲夫さんの本をすすめられた話も載っている。読み進んでいくと、2007年に36歳で亡くなられたお嬢さんの墓碑銘が記されていた。お嬢さんが亡くなられる前に父に書いてもらうことを希望されたとか。この光に満ちて哀切な墓碑銘には言葉がでない。気になるページにはさんであった指が抜けてしまった。