人は

仙波龍英氏が亡くなっていたということを、詩人の方の日記で知った。もう九年も前だそうだ。今日まで知らなかったことに驚く。 昔、紫陽社から葉書をいただいた時に、仙波さんの第一歌集の広告が葉書に刷りこまれていた。『わたしは可愛い三月兎』という題名だったか。枡野浩一穂村弘もいない時代のことだから、それはそれは斬新だった。その頃、林あまりさんも『鳩よ!』の投稿欄からデビューされ、二人の歌人が活躍されているのを遠い田舎でまぶしく見ていたことを思い出す。そして、いつしか詩歌全般から遠ざかっていたから、この短歌隆盛の時代に突然遭遇し、仙波さんの姿がないことを不思議に思っていたが、亡くなっていたとは。林あまりさんも最近、歌をお見かけしないが、今は大学でお仕事をされているようだ。 会いたい人がいる時、なぜかいつでも会えるような気持ちを持ちがちだ。しかし、そのうち、永遠に会えなくなることを忘れずに生きていかなくては。あたり前のことみたいだけれど人は世界文化遺産とは違うのだから。