残響

抱きあうことしか
頭になかったから
膝を払って
何も残っていない


形さえつかめば
どうでもよかった
捨て台詞に近い
それでも
まっすぐな
視線が
何かをも
弱らせてしまったのだろうか


ハーフマラソンのように波は繰り返しやってきて
しらじらと泡になって消えていった

どんな空も
町の歌にも
引き出しは見あたらず
糸玉のようなもどかしさが面という面に
厚ぼったく
塗り込められている