宝石

背中にめぐった日々は
机で山積みになり
平凡な色遣いに紛れて
気づかないものだから
次の日の新鮮に
追われて
もう失った気持ちでいる



光のうつくしさを
吸い込んだ雲
雑な一瞥や
立ち漕ぎで
止まらない迂闊を
いつか
悔やむことが
あるといい、けれど



巡った血の浮力で
やがては水面に出ると
そんな自然まで
信じられない
からだの形を
忘れてしまっている