善行堂から恵文社一乗寺店へ

今日は京都東で降りて、疎水からずっと北にあがったら銀閣寺口で、あやうく交差点を通り抜けるところだった。前回、知恩寺の古本まつりの時は、京都南から降りて、町を延々回ってたから友人をさぞ不安に陥れたことだろう。今頃すまなく思う。前回と同じく、洋食屋ふろうえんの南にあるフルーツパーキングへ停める。車の中は暑いくらいだったが、さすが京都の底冷え、京都銀行まで行ってからやはり上着を取りに戻った。前に来てから一月しか経っていないのに、善行堂の近くにコーヒー屋が出来ている。 本を読むにはよさそうだとチェックし、善行堂へ行くと、柿渋の扉は閉まっていたが、岡崎武志さんの描いた看板が、元気な黄色に塗られて立っていた。
今日も中公文庫の入り口の棚から見て、詩歌のスペースもゆっくり眺め、飯田龍太の随筆を手に取る。清岡卓行の中国紀行もあったが、あれ、中を見た記憶がとんでいる。
奥にある文庫堂さんの深い焦げ茶の棚も拝見したところ、雰囲気に大変になじんで、古本の神が宿る祭壇の如き佇まいだった。

今日、感動したのは、エルマガジンに連載された文章を読ませていただいたことだ。その情報量と、「これは読まないと」と心惹かれる内容。そういえば、ちょうちょうぼっこや恵文社に足を運ぶきっかけは、善行さんの連載からだった。 エルマガがなくなったから善行さんのブログを読ませていただくようになり、最初のブログへの書き込みは、ブックオフの景品で善行さんが鍋セットを当てられたことを羨ましがる内容だったと話すと、覚えておられ驚いておられた。
どうでもいい話は火がついた油紙のごとくぺらぺらしゃべる私だが、途中「詩人は誰が好きですか」とおっしゃられてへどもどしたが・・今更ながら、子ども時代に出会い、卒論を書いた中勘助です。
土橋とし子さんの本、ぱんとたまねぎさんの本、会津八一の随筆を求め、子子子さんの作品のような袋に入れていただきこれも嬉しい。
善行堂のオープニングは女性客がつめかけ、これは古書店では異例のことという話を聞いていたが、今日拝見したところでは、善行さんも古書店主らしい佇まいだし、奇をてらって何かあるわけじゃない。しかし気負わないながら、何かが違う。逆に経済破綻ということが起きない限り、滅ぶ気配のなかったあの素人が入りにくい知のバリアは、何のためにあったのだろうか・・二回目の大銀ではんこの袋を見つめながらあれこれ考えカキフライを食べていると、店の奥さんがチェアウォーカーの人に自然に手を貸して送り出しているのに気づいた。京都・・奥の深い町だ。
恵文社で『おやつ新報へようこそ』(朝日新聞出版 多田千香子)展が昨日からやっているので白川通りを北上。西へ入るパチンコ屋を見逃してしまうもののたどりついた。恵文社は久しぶりなので見たもの全部欲しくなりきりがない。
プレイガイドジャーナルについての本と、台湾の女性が出しているリトルプレス、モダンジュースを購入し、多田さんの焼いた黙らせサブレ、ラスト一個と青春ハニーレモンケーキなどを求めて、ああ満足!
恵文社の扉には求人募集が貼ってあった。さすが恵文社、選考条件に本の感想を書けというものが。神経の行き届いたスタッフばかりの恵文社を見ると、まあ自分はお客でいいよと思うけれど、今大学生で、就職まだでという身だったら、あの本達に触れたいという一点で憧れて作文書いたんじゃなかろうか。 今どきは、どんな作文が集まるのだろう。そっち興味があるなぁ。
そして高速道路を飛ばして帰ってきました。そして書いてたらこんな時間!明日は仕事だー寝よう寝よう。