扉を
押し入って
みると
雨天の中に一瞬の平安だ
隅に座って
コーヒーを頼もうにも
気配といったら
ゴムの木とアロエ


よりそえば
憎まずには
いられない修羅の身の上
携帯をプツンと押せば
たまに雪国がうつる


埃をかぶったこけし
いつからここに 置いてあるのか
どうでもいいが安寧だ
あなたは一人で
旅をしている
私も一人でここにいる


煮詰まったコーヒーは
飲めない
アイスカフェオーレ
ください
消息は
しらない
でいいのだ
いつかのいつかも
曇天のなか