うた

焦点の合わない憎しみは
突拍子もない危機の肩を
押して
上空を曇らせている
背を秒針で打たれながら
塵芥のような澱を吐くように叫べば
誰かへの支えが生まれないかと思う

角のあるままの
苦味のある
粒粒をとりだして
さかむけだらけの
皮袋で醸しているところ
すっぱい酒に
なるやもしれないが