不器用貧乏

 
 4月のグランドで
 子どもたちはつったっている
 ラムネの栓が抜けなくて



 大阪名物と触れ歩きながら
 玉せんを焼いて おどおどと包む
 食べたこともないのに
 


 青空は何を隠しもっているのだろう
 
 

 鍋に煮立てたコーヒーは誓ってうまくはない
 おばちゃんらは競って飲み干し
 カップ水飲み場に積まれる
 

 
 ならぶテントは陽気な縞縞
 つむじ風の中 支柱は絡まり
 青海苔もちる


 見よう見真似を繰り返し
 大人になってみれば とんだ
 お鉢も回ってくる

 
 ほらかしな
 すとんと落ちてラムネの玉
 泡の中に日輪は集まり


 小さな影たちは息をこらしている