彩雲

長閑な午を過ぎて
家路への眠りにつくはずの老いた目を
西の空が誘いこむ

また生き永らへて
流れを越え
濃州に身を委ねる
山で身を灼かれる日も
この橋の頂きで
見下ろすのだろうか


光をもとめ
身をよじらせていたら
いつしか蝙蝠となった
迷うために
翼を差しだそうか
群青のさなかに
溺れるがごとく